早期発見でむし歯や
歯周病の進行を防いで
健康寿命を延ばしましょう

「よく噛める」「会話が楽しめる」など、毎日の食事や会話に、歯は深い関わりがあります。
健康で快適に過ごせて介護を必要としない期間「健康寿命」を延ばすためにも、健康な歯が欠かせません。
健康な歯が多く残っているほど、心身ともに健康に過ごせることがわかっています。

歯を失う2大原因は、「むし歯」と「歯周病」です。ご自分の歯を守るためには、早期発見と早期治療が大切です。些細な違和感でも放置せずに、早めに歯科医院を受診しましょう。
(出典:厚生労働省e-ヘルスネット「歯の喪失の原因」よりより)

むし歯

むし歯は、歯の表面が溶けだす細菌感染症です。歯の表面に付着した「食べかす(糖)」を、むし歯の細菌が分解して酸を発生することで引き起こします。歯磨きが不十分の方や甘いものを好む方がむし歯になりやすい傾向にあります。むし歯は予防できる病気ですので、「歯科医院での定期的なケア」と「ご自宅での適切な歯磨き」を心がけましょう。

むし歯を早期発見する方法

歯科医院での定期検診

むし歯をチェックします。また、歯のクリーニングを行い、むし歯の原因となる細菌のかたまり「歯垢(プラーク)」を取り除きましょう。

歯の色の観察

歯に黒ずみや変色などの異変があれば、すみやかに歯科医院へ相談しましょう。

歯磨き中の観察

歯磨きの際に、しみる、痛いなどの症状があれば早めに歯科医院で治療を受けましょう。

むし歯の進行と治療方法

  • 初期むし歯

    歯の表面が白く濁っている状態です。穴は開いておらず、痛みなどもありません。
    フッ素塗布を行い様子を見ましょう。

  • むし歯

    歯の表面「エナメル質」まで溶かされた状態です。目立つ自覚症状はありません。
    むし歯の箇所を削り、プラスチックの樹脂を詰めます。

  • 象牙質まで進んだむし歯

    むし歯が歯の内部「象牙質」まで進行した状態です。冷たいものがしみます。
    むし歯の箇所を削り、プラスチックの樹脂または、部分的な被せ物を詰めます。

  • 神経まで進んだむし歯

    神経のある歯の内部まで進行して、激しい痛みを感じます。また、表面には大きな穴ができます。
    神経を取り除く「根管治療」を行い、土台を立てて被せ物を装着します。

  • 歯根だけ残ったむし歯

    歯の頭「歯冠」がほとんど溶かされて、歯の根っこだけが残った状態です。膿が出ることがあります。
    歯を残すのが困難なことが多く、抜歯して入れ歯やインプラントで補います。

重症化したむし歯の治療についてはこちら

歯周病

歯周病は、歯ぐきの腫れや出血などの炎症症状からはじまりますが、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。進行すると、歯を支えている骨が溶かされ、最悪のケースでは歯が抜け落ちるリスクのある病気です。
歯周病を食い止めるためには、早期発見・早期治療が大切ですので、まずはセルフチェックをしてみましょう。

歯周病のセルフチェック

以下のような症状はありませんか?

  • 歯ぐきの色が赤い、赤黒い

  • 歯と歯の間の歯ぐきが丸みを帯びている

  • 歯ぐきがむずがゆい

  • 夕方になると歯ぐきが腫れる

  • 歯と歯の間にすき間ができた

  • 歯が伸びた気がする

  • 歯磨き中に出血を伴う

  • 歯ぐきが腫れてブヨブヨする

  • 起床時にお口がネバつく

  • 歯と歯の間によく食べものが詰まる

  • 口臭が気になる

  • 歯が動く

  • 硬い食べものが噛めない

  • 歯ぐきにニキビのようなものができた

  • 歯の根元が黄色い

歯周病の進行と治療方法

  • 健康な歯肉

    歯ぐきはピンク色で引き締まっています。
    定期検診で健康な状態を保ちましょう。

  • 歯肉炎

    歯ぐきが赤くなった状態です。痛みなどの自覚症状はありません。
    歯磨きの仕方を見直すため、お一人お一人に合う磨き方や清掃用具の選び方を指導します。

  • 歯周炎(軽度)

    歯ぐきは赤く腫れ、歯磨き中などに出血します。痛みなどはありません。
    歯の表面にある細菌のかたまり「歯垢(プラーク)」を専用の機器で取り除く「スケーリング」を行います。

  • 歯周炎(中等度)

    歯ぐきは赤く腫れ上がり、出血が増えます。歯を支えている骨が半分くらい溶かされ、歯が動きます。
    スケーリングと、歯ぐきの中に付着する歯垢を手用の器具で取り除く「ルートプレーニング」を行います。

  • 歯周炎(重度)

    歯を支えている骨が半分以上も溶かされて、歯を支えきれなくなります。食事中に噛むと痛みを生じます。
    スケーリングとルートプレーニングでも改善されていない場合は、外科的な処置を行うことがあります。

歯周病と全身疾患との関係

歯周病は進行すると、お口の中だけのトラブルではとどまりません。歯周病菌が傷ついた歯ぐきから侵入して血液を介して全身に行きわたると、全身にも悪影響を及ぼします。糖尿病、誤嚥(ごえん)性肺炎、心疾患、脳血管疾患、動脈硬化、早産・低出生体重児、骨粗しょう症、メタボリックシンドロームなどを引き起こしたり、悪化させたりするリスクがあるのです。
反対に、全身疾患が歯周病の原因になったり、悪化させたりすることもわかっています。歯周病の早期発見・治療はもちろん、予防することで、お口の健康だけではなく、全身の健康を維持することができるのです。

歯周病の治療方法

  • スケーリング
    ルートプレーニング

    歯周病の原因となる「歯垢」や歯垢が硬くなった「歯石」を取り除く歯のクリーニングを受けましょう。
    歯ぐきより上に付着している場合は、超音波スケーラーや手用スケーラーという専用の機器で丁寧に除去します。
    歯ぐきの下の根っこに付着している場合は、手用のスケーラーで歯石を除去して、根っこの表面をなめらかにします。

  • レーザー治療

    当院では、「ネオジウムレーザー」と「CO2レーザー」を採用しています。歯周ポケットにある病原菌をレーザーで殺菌することが可能です。これにより、歯周病の進行を止めます。歯ぐきの奥までレーザーが届くため、弱った歯ぐきの血行を促進することもできます。治療後の回復も早く、短期間で歯周病の改善を期待できる治療法です。

  • 歯周外科治療
    (フラップ手術)

    歯周外科治療(フラップ手術)は、重度の歯周病に行う外科的手術です。歯ぐきを切り開き、歯の根に強固に付着した歯石を取り除きます。必要があれば、歯ぐきや骨の再生促進剤を塗布する治療(リグロス)を一緒に行うケースもあります。手術後は、歯ぐきを縫合して治癒するのを待ちます。治療時間は、1〜2時間程度が一般的です。

  • 歯周再生治療
    (リグロス)

    歯周再生治療(リグロス)は、歯周病により破壊された歯ぐきや歯を支えている骨「歯周組織」を再生する治療法です。歯ぐきを切り開き、再生を促すための薬を塗布することで、歯周組織の回復が期待できます。ただし、即効性があるわけではないため定期的な検診と歯のクリーニングは続けながら様子をみます。

人生の後悔の第1位
「歯の定期検診を受けていればよかった」

雑誌『PRESIDENT』が行った「人生で後悔したこと」のアンケート調査では、シニアの第1位、そしてほかの世代での上位は「歯の定期検診を受けていればよかった」という結果でした。
後悔しても、健康な歯が戻ることはありませんが、予防して守ることはできます。
むし歯や歯周病は初期症状が乏しく自分では気が付くことが難しい病気です。そのため、歯医者への定期検診を受けて、1本でも健康な歯を残し「食べる喜び」を生涯感じ、生活の質(QOL)を高めましょう。

予防・クリーニングについてはこちら

アクセス
MENU
TOPへ